公開日 2017年11月9日 最終更新日 2018年2月20日
ペルーが36年ぶりのW杯出場かけNZLと対戦
来年にロシアで開催される2018年ワールドカップの予選も大詰めを迎えており、いよいよ今日9日~来週15日(現地時間)にかけて行われる試合ですべての予選が終了し、W杯出場国の全32ヵ国が出揃う予定である。
前回の記事では、アジア-北中米カリブ海の大陸間プレーオフについて対戦成績などを確認してみた。
今回は、オセアニア-南米の大陸間プレーオフについて確認してみる。
スポンサーリンク
ペルーは終盤6戦負けなしでプレーオフへ食い込む
既に大陸間プレーオフでオセアニア予選1位対南米予選5位が対戦することは決まっていた。
オセアニア1位となったのはニュージーランド、南米5位となったのはペルー。
この両国がホーム&アウェイ方式で対戦し、勝者が本大会へ出場できる。
それでは両国のここまでの予選を振り返ってみる。
【ニュージーランド】
[勝] 3-1(中)フィジー
[勝] 5-0(中)バヌアツ
[勝] 1-0(中)ソロモン諸島
*グループ1位で最終予選へ進出。
*( )内の中は中立地の略。
[勝] 2-0(H)ニューカレドニア
[分] 0-0(A)ニューカレドニア
[勝] 2-0(A)フィジー
[勝] 2-0(H)フィジー
*グループ1位でオセアニア地区プレーオフ進出。
[勝] 6-1(H)ソロモン諸島
[分] 2-2(A)ソロモン諸島
*2戦合計8-3で勝利し大陸間プレーオフ進出。
【ペルー】
[負] 0-2(A)コロンビア
[負] 3-4(H)チリ
[勝] 1-0(H)パラグアイ
[負] 0-3(A)ブラジル
[分] 2-2(H)ベネズエラ
[負] 0-1(A)ウルグアイ
[勝] 3-0(A)ボリビア(*注①)
[勝] 2-1(H)エクアドル
[分] 2-2(H)アルゼンチン
[負] 1-2(A)チリ
[勝] 4-1(A)パラグアイ
[負] 0-2(H)ブラジル
[分] 2-2(A)ベネズエラ
[勝] 2-1(H)ウルグアイ
[勝] 2-1(H)ボリビア
[勝] 2-1(A)エクアドル
[分] 0-0(A)アルゼンチン
[分] 1-1(H)コロンビア
*注① ボリビアに違反があったため、実際はボリビアが2-0で勝利していたが3-0でペルーの勝利となった。
最終戦僅差でチリを上回ったペルー
まずニュージーランドだが、中立地開催で総当たりとなった2次予選ではフィジー、バヌアツ、ソロモン諸島に3連勝し首位で突破となった。
オセアニア予選では「オセアニアネイションズカップ2016」も兼ねていたということもあり、グループ4ヵ国中上位3ヵ国が突破できるため、ニュージーランドは余裕の突破であっただろう。
そしてホーム&アウェイ方式となった最終予選でも、アウェイでのニューカレドニア戦では0-0と引き分けたもののその他の3試合はすべて2-0で勝利し、こちらも危なげなく突破した。
続いて、最終予選もう一つのグループで首位だったソロモン諸島とのホーム&アウェイ方式のオセアニア地区プレーオフでも、ホームでのファーストレグで6-1で大勝。
アウェイでのセカンドレグでは2-2と引き分けに終わったものの、2戦合計8-3と大差をつけて大陸間プレーオフ進出を決めた。
オセアニアではニュージーランドとその他の10ヵ国では実力に大きく差があるため、ニュージーランドの大陸間プレーオフ進出はある程度予想されていた。
一方の、全10ヵ国が1グループでホーム&アウェイ方式を18試合戦う南米予選を戦ったペルー。
2年間による長丁場の戦いとなるため、トータルで良い結果を出すことが重要であった。
逆に言えば、良い結果が出せない期間が続いてもその後の期間で挽回するチャンスは十分にあるということでもある。
全10ヵ国にそれほど実力差があるわけではないということもあり、毎回南米予選ではブラジルやアルゼンチンといった強豪国が苦しんでいる。
実際今回の予選も、ブラジルは最終的に圧倒的な強さで早々に突破を決めたが、初戦で敗れその後も監督が代わるまで低調な戦いぶりであった。
また、アルゼンチンに至っては最終的に3位で突破を決めたが、最終戦の結果次第でプレーオフ進出すらできず敗退という最悪の結末になる可能性もあった。
そんな厳しい南米予選だが、ペルーも初戦のコロンビア戦、チリ戦に敗れ2連敗と最悪のスタートだった。
3戦目のパラグアイ戦ではパラグアイに1-0で競り勝ち予選初勝利を挙げたものの、続くブラジル戦では0-3で完敗。
5戦目では南米最弱国とも言われているベネズエラが相手だっただけに勝ち点3が欲しかったが、2-2の引き分けで勝ち点1を獲得するに留まる。
そして次のウルグアイ戦では0-1で再び敗れてしまい、続くボリビア戦でも0-2で敗れてしまい連敗となってしまった。
しかしここでペルーは運を味方につける。
この敗れたボリビア戦において、ボリビアが出場資格のない選手を出場させたことが後にわかり没収試合となり、3-0でペルーの勝利と修正された。
思ってもない勝ち点3を手にしたペルーは次のホームでのエクアドル戦2-1で勝利。
続いて同じくホームでのアルゼンチン戦では2-2と引き分けて勝ち点1を手にした。
次のチリ戦では1-2で惜敗したが、1ヵ月後のパラグアイ戦ではアウェイの地で4-1と勝利。
続くホームでのブラジル戦、アウェイでは完敗だったがホームでも0-2で敗れる。
その後アウェイでのベネズエラ戦ではホームでの試合と同じく2-2のスコアで引き分け勝てず。
それでも続くホームでのウルグアイ戦では2-1で見事に勝利を収めると、ここから勝ち点を積み重ねていく。
5ヵ月後となったボリビア戦で2-1と勝利すると、続くエクアドル戦でも2-1で競り勝ち今予選初の3連勝。
一気に終盤追い上げてきたペルーだったが、最後の2連戦はアルゼンチンとコロンビア。
ここで敗れると出場が厳しくなる状況だったが、崖っぷちで必死のアルゼンチン相手に得点を許さずアウェイで0-0で引き分けることに成功。
そして迎えた最終戦。
2位以下が団子状態の大接戦となっていたため各会場の1点でその都度順位が変動する状況だった。
そんな中ペルーは同じく大混戦の中にいたコロンビアと対戦し1-1で引き分ける。
他会場の結果次第となり、アルゼンチンが勝利したため同国を上回ることはできなかったが、同じくライバルだったチリとパラグアイが共に敗れたため、5位で大陸間プレーオフ進出となった。
予選途中まで下位に沈んでいたペルーだったが、若手選手中心に後半戦で巻き返せたのがとても大きかった
逆に南米王者のチリが6位でまさかの敗退となってしまった。
チリとは勝ち点で並んでおり得失点差でわずか2点上回った。
もしどこかの試合で1点でも取られていたら、そしてもしボリビアの違反がなかったら、ペルーは敗退となっていただろう。
最終戦まで大大混戦だった南米予選だが、1点の重みをとても感じた今予選であった。
キックオフは2試合とも日本時間お昼時
最新のFIFAランクでは、ニュージーランドが122位、ペルーが10位。
このランキング程の差はないかもしれないが、大方の予想通りペルーの方が実力で大きく上回っているのは間違いないだろう。
ペルーは実に9大会ぶり、36年ぶりのW杯出場をかけて大陸間プレーオフを戦う。
ニュージーランドは、3戦すべて引き分けでグループリーグ敗退となった2010年大会以来2大会ぶりの出場を目指している。
ファーストレグはニュージーランドのホームで、現地時間11月11日16時15分(日本時間同12時15分)キックオフ予定。
セカンドレグはペルーのホームで、現地時間11月15日21時15分(日本時間翌16日11時15分)キックオフ予定。
順番的にこの試合のセカンドレグがすべての予選の最終戦となり、すべてのW杯出場国が出揃う予定である。
ペルーが36年ぶりのW杯出場を決めるのか、ニュージーランドが2010年大会同様波乱を起こし出場を決めるのか、どのような結果になるのかとても楽しみである。