公開日 2019年5月29日 最終更新日 2019年6月28日
サッカーの代表チームで南米大陸王者を決める『コパ・アメリカ2019』の開幕まで3週間を切りました。
大会は南米ブラジルの5都市で開催され、6月14日~7月7日にかけて全26試合が開催されます。
そして大会には招待国として日本代表も参戦。
先日発表されたコパ・アメリカに挑む日本代表メンバーに17歳保建英 (FC東京) も選出されたため、日本からの注目度もかなり上がってきています。
今回はこのコパ・アメリカ2019について、グループリーグ・決勝トーナメントのレギュレーション、勝ち点が並んだ場合の順位決定方法など、決勝トーナメント進出の条件について確認してみます。
スポンサーリンク
各グループリーグ組み合わせ
それではまずレギュレーションを確認する前に、各グループリーグの組み合わせを再確認してみます。
出場国が12チームであるため、グループリーグは4チームずつ3つのグループに分かれて行います。
日本が組み込まれたのはグループC。
開催国ブラジルはグループAに組み込まれること、また招待国である日本とカタールは別々のグループへ組み込まれること。
これらは抽選前から決定していました。
グループA | グループB | グループC |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
*なお、今大会の全試合日程やテレビ放送などについては以下の記事に掲載
決勝トーナメント進出の条件
それでは決勝トーナメントへ進出するための条件について確認してみます。
まずグループリーグから決勝トーナメントへ進めるのは、以下に該当したチームです。
- 各グループ1位
- 各グループ2位
- 各グループ3位のうち成績上位2チーム
上記のように、各グループ上位2チームに入れば無条件でグループ突破。
3位となった場合は各グループ3位のチーム (3チーム) 中、成績上位2チームに入れればグループ突破。
参加12チーム中8チームは決勝トーナメントへ進出できます。
逆に言うと、グループリーグで敗退するのは各グループ最下位 (4位) のチームと3位のチームのうち成績最下位の1チームということになります。
勝ち点が並んだ場合の順位決定方式
続いて気になるのが、グループ内で複数のチーム (2チーム以上) が勝ち点が並んだ場合の順位決定方法についてです。
この部分のレギュレーションは大会によって異なるため、注意が必要な項目です。
今大会の場合は以下のとおりとなっています。
- グループリーグ3試合での得失点差
- グループリーグ3試合での総得点数
- 当該チーム間の対戦による勝ち点
- 当該チーム間の対戦による得失点差
- 当該チーム間の対戦による総得点数
- グループリーグ3試合でのフェアプレーポイント差
-
- -1ポイント:イエローカード (警告)
- -3ポイント:イエローカード2枚によるレッドカード (退場)
- -4ポイント:レッドカード (一発退場)
- -5ポイント:イエローカード+レッドカード (一発退場)
*マイナスが少ないチームが順位で上
-
- 抽選
上記のように、グループリーグ3試合を終えてグループ内で勝ち点の同じチームが複数ある場合は、まず「グループリーグ3試合での得失点差」が優先されます。
この得失点差も同じ場合は、「グループリーグ3試合での総得点数」で比較することになります。
このグループリーグ3試合での得失点差と総得点数も同じ場合、「当該チーム間の対戦成績 (直接対決による成績) 」で、勝ち点 → 得失点差 → 総得点数の順で比較。
当該チームが3チーム以上ある場合も同じように比較します。
このように、今大会の場合は勝ち点で並んだ場合、最初に優先されるのがグループ全体での成績で、その次に優先されるのが当該チーム間 (直接対決) の成績となります。
これはFIFAワールドカップなどと同じ方式です。
そして当該チーム間の対戦成績でも順位が決まらない場合、「フェアプレーポイントの差」による比較に入ります。
上記のようにフェアプレーポイントはマイナス制となっており、警告なのか退場なのか、またその内容によってもマイナスポイントが変わってきます。
当然、内容が重いほどマイナスはでかくなります。
イエローカード1枚の警告のみだとマイナス1、一番重いのはイエローカードを既に1枚もらっている状態でのレッドカード (一発退場) でマイナス5。
一番軽いのと一番重いのでは4ポイントもの差が出てきます。
またレッドカードを受けた時点で最低でもマイナス3となるため、フェアプレーポイント差となった場合、退場処分を受けているチームは結構不利な状況となります。
このフェアプレーポイントの差による比較までいくことは珍しいですが、実際昨年のロシアワールドカップで日本代表の身に起こったことは記憶に新しいと思います。
日本とセネガルが勝ち点、得失点差、総得点数、直接対決の成績でも並んだため、フェアプレーポイント差の比較まで突入。
日本が2ポイントセネガルを上回り決勝トーナメント進出を決めたという出来事でした。
そしてここでも順位が決まらない場合ですが、最後に「抽選」という方法がとられます。
抽選までいくことは非常に珍しいわけですが、フェアプレーポイントで差がつかない場合、最後は運任せということになります。
各グループ3位の成績比較方法
さて、続いては3位チームの成績比較方法についてです。
前述したとおり、グループで3位となった場合でも、全グループ3位の3チームのうち成績上位2チームは決勝トーナメントへ進出できます。
3位のチームの順位決定方法は以下のとおりです。
- 勝ち点
- 得失点差
- 総得点数
- 抽選
まずグループリーグ3試合を終えた時点で3位の3チームを「勝ち点」で比較します。
勝ち点の多い上位2チームが決勝トーナメント進出。
勝ち点が同じだった場合は次に「得失点差」で比較し、得失点差も同じだった場合は「総得点数」で比較します。
それぞれチームはグループが別々のため、直接対決の成績による比較はありません。
そして総得点数も同じだった場合ですが、3位同士の比較のレギュレーションではフェアプレーポイントの記載がないため、即抽選となるようです。
各グループ3位 | 勝ち点 | 得失点差 | 総得点数 |
グループA 3位 | |||
グループB 3位 | |||
グループC 3位 |
スポンサーリンク
3位でも勝ち上がるために必要な勝ち点は?
グループで上位2チームに入れず3位となった場合でも、成績次第で決勝トーナメントへ進めるということがわかりました。
ではどの程度の勝ち点を獲得すれば決勝トーナメントへ進めるのか、過去の例を参考に見てみます。
以下が、今大会と同じ参加国12チーム制で行われた過去5大会の3位チームによる勝ち点と得失点差です。
*( ) 内の数字は得失点差
2015年大会 | 2011年大会 | 2007年大会 | 2004年大会 | 2001年大会 | |
突破 | 勝ち点4 (0) | 勝ち点4 (0) | 勝ち点4 (-2) | 勝ち点4 (-1) | 勝ち点4 (0) |
突破 | 勝ち点4 (0) | 勝ち点3 (0) | 勝ち点4 (-2) | 勝ち点3 (-3) | 勝ち点4 (-1) |
敗退 | 勝ち点3 (-2) | 勝ち点3 (-2) | 勝ち点3 (-6) | 勝ち点2 (-1) | 勝ち点3 (0) |
過去5大会を見てみても、まず勝ち点4を獲得したチームはすべてグループを突破できているのがわかります。
そのため3位となった場合、「勝ち点4」を獲得できるかどうかというのが一つの基準となるでしょう。
そして過去5大会中2大会では勝ち点3で勝ち上がったケースもあります。
2011年大会では勝ち点3で2チームが並び、得失点差で上回ったほうが勝ち上がっています。
このように得失点差も大きく関わってくるため、できるだけ得点を増やし失点を減らすこともポイントとなってきます。
また勝ち点2で突破できたチームは過去5大会ではなく、さかのぼっても参加12チーム制となってからは1993年大会の1回のみしか例がありません。
このように、3位でも勝ち上がるためにはまず目安として「勝ち点4」が必要、最低でも「勝ち点3」を獲得するということが必須。
つまり、最低でも1勝しないと突破の可能性はほぼなくなるということになります。
まとめ
最後に、今回の決勝トーナメント進出条件について要点をまとめました。
- 決勝トーナメントへ進出できるのは各グループ上位2チーム及び各グループ3位のうち成績上位2チーム
- 勝ち点が並んだ場合は先にグループ全体での得失点差→総得点数で比較、次に直接対決での成績で比較
- 直接対決の成績でも順位が決定しない場合はフェアプレーポイント差→抽選の順に決定
- 3位チームの突破は勝ち点→得失点差→総得点数→抽選の順に決定
- 3位でもグループ突破するためには過去の例から「勝ち点4」、最低でも「勝ち点3」獲得でチャンスあり
※ちなみに決勝トーナメントでは、準々決勝のみ引き分けの場合は延長戦なしの即PK戦、準決勝・3位決定戦・決勝戦は引き分けの場合延長戦を行い、そこでも決着がつかない場合はPK戦をなります。
日本代表も今大会グループリーグ突破を目指して戦いますが、アウェーでの本気の南米勢相手ということで、厳しい戦いが予想されます。
グループで上位2チームに入れればベストですが、入れなくても3位で突破を果たすためにまずは最低でも一勝を挙げることが目標となってきます。
日本代表の初戦は現地時間6月17日のチリ戦。
その後同20日にウルグアイ戦、同24日にエクアドル戦となります。
日本戦含む全試合日程一覧はこちらのコパ・アメリカ2019専用ページに掲載。